守る力の物語

とても若くて、夢にあふれていた女の子がいました。

これからが楽しみな未来を持ち、

もしかしたら、先の地球のために大きな貢献をしてくれていたかもしれない。

たくさんの人を幸せにするような行動を起こしていたかもしれない。

でも――

たった一度の「テイカー（奪う人）」との出会いで、

そのすべてが奪われてしまったのです。

彼女は空港で出会ったその人との出来事を、ずっと後悔していました。

「異性に愛されている」という感覚を知らずに生きてきた彼女にとって、

そのやさしさのように見えたものが、まさか罠だとは思えなかったのでしょう。

大人の手によって、心を蝕まれ、

夢も、自分自身も失ってしまうような体験。

引きずり落とすような落とし穴は、この世界にまだたくさんあります。

――だからこそ、思うのです。

こんなところに、落ちてほしくない。

あの子のように、無念を抱えたまま、声を失ってしまう女の子が、

もうこれ以上、増えてほしくない。

この思いを、物語として形にしました。

世界中の女の子たちに届けたいという願いを込めて。

これは、彼女の無念の気持ちを受け取った私の、

せいいっぱいの祈りと、せいいっぱいの言葉です。

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